鉄筋コンクリートの建築物は、どうやって作っているか知っていますか?
型枠工事とは、鉄筋コンクリートで建物を建造する際に必要となる型枠をその場で組み立て、
コンクリートを流し込み、成型していく工事です。
ほとんどの鉄筋コンクリートの建物は、この型枠工事によって作られています。
また、一般の住宅の基礎工事などでも型枠工事を行います。
建物の強度や耐震性を左右する基礎となるので、ひとつひとつの建物で形状が異なります。
その建物に合った最適な型枠設計で、人の力で出来上がります。
型枠工事は、街づくりの礎となる重要な仕事なのです。
人の技術が重要
型枠大工の仕事は、一人前になるのに10年かかるとも言われるほど、非常に精密さを求められます。
一般的には垂直精度±3mmが許容範囲と言われており、その精密さこそが強度や出来栄えに大きな影響を与えます。
なぜ型枠工事は、人の手で行うのか。 それは、日本の型枠工事のクオリティが高いことにあります。
機械化、省力化すると、同じ形の建物しかできませんし、クオリティはどうしても下がってしまいます。
建築物において、強度やクオリティは最も重要視されるポイントです。
人の目で見て臨機応変に作り上げることで、クオリティは保たれているのです。
型枠の重要性
型枠は躯体を形成するための鋳型であり、建物の完成時にはまったく残らない仮設物といわれて軽視されがちであるが、
建築工事費の比率からみると、躯体工事の40~45%、全工事費の12~15%を占める重要な工事である。
したがって、型枠工事の経済性を追求し合理化を計ることは、全体工事に与える影響が非常に大きいといえる。
現在の型枠工事では、その合理性や経済性から90%近くが合板型枠工法が採用されている。
これに用いられる型枠資材の加工、組立て、解体などの作業や、
資材の転用効率を高める計画性、作業の安全性などの問題が検討されるべき事項である。
現実には“型枠の軽量化による作業能率の向上”や“躯体型枠精度の向上による仕上げ工事の経済性追求”など、
改善の余地がまだまだ残されている。